9月28日(火)夕方に、ユジノサハリンスクのチェーホフ劇場で観賞したドラマ「秋のソナチネ」。
北海道新聞社ユジノサハリンスク支局長の記事情報では、帝政ロシア末期の著名作家アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ生誕150年記念事業「チェーホフ演劇祭」にサハリン州が招待し、9月27日と28日にサハリンでは初めて上演されたドラマ。
札幌のそば店での対話をテーマとした現代劇は、高齢化を迎えた日本の複雑な家族関係や孤独な心の葛藤を細やかに表現しており、高齢者の一人住まいが一般的なロシア社会とも共通した課題を含み、チェーホフ作品に通じる心情を提示しているのではないかと思いました。
その中で、劇の要所に流れた土田英順氏のチェロは、心を振るわす音色で観客を別世界へいざなう臨場感がありました。
チェーホフ劇場館長のお話では、この次は、来年2011年に同劇場団員を札幌へ派遣し、チェーホフ作品の上演に努めるとのことです。
写真は、そば店を営む家族と来店した客を交えた会話場面
写真は、一人住まいの部屋で看取る者なく逝った馴染みの高齢女性を想う終幕場面