サハリンの日本車ディーラー訪問

今年8月にオープンしたばかりの日本車メーカーの正規ディーラー。
都市部以外はダードばかりのサハリンにあって、品質が高く故障知らずの日本のRV車の需要は高く、複数の日本車ディーラーがサハリンへ進出しています。
今日は、そんなサハリンにある日本車のディーラーの一つをご紹介します。

大きな敷地に大きな店舗(2階建て)。ゆとりのある贅沢な建て構え。
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広い展示スペースにはRV車を始め8台の車輌を展示。販売台数は月間30台程と云う。
広々とした整備スペースと洗車スペース。
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部品供給センターも併設、部品供給も万全。日本では非主流のスパイクタイヤも展示販売。
下取り車両は、日本で一般的なディーラー買い取りの他、ユーザーがディーラーの敷地を借り買い手に直接販売する方法もあるとの事。
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サハリンのミネラルウォーター工場

先日、日本では珍しい地下水を利用した上水施設をご紹介しました(11月6日参照)が、水道管の老朽化が著しいサハリンでは、水道水は飲用には適しません(取水時は適)。
そんなこともあって、ユジノサハリンスク市民の飲み水の供給は、市内に数か所ある民間のミネラルウォーター工場がその担い手になっています。
写真は市内中心部にあるミネラルウォーター工場「セレーブラヤヌィ・ラドニク(銀色の泉)」
地下100mから汲み上げた地下水を濾過殺菌し、ボトルに詰め込み商品化。その後、サハリン各地のマガジン(店)や、直接、レストラン、事業所、各家庭へ配送販売しています。

市内中心部、住宅街に囲まれた一角にある「セレーブラヤヌィ・ラドニク」
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写真上:濾過装置とレストラン、事業所等で需要が高い19Lボトル
写真下:マガジン等で販売する5Lボトルとポンプ付き19Lボトル(ポンプ別売り)
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ユジノサハリンスクの上下水道事情

写真はユジノサハリンスクの上水、下水道施設の様子です。
上水場は、かつて鈴谷湿原と呼ばれた湿地にあり、日本では珍しい地下水を利用した上水施設。水源は地下150mから給水濾過処理し、市内の各家庭に配水しているとの事。
一方、下水道施設は濾過槽での沈殿処理と薬品処理の後、希釈して近くの川に排水との事。
何れにしても、両施設とも著しく老朽化が進んでいて、新たな施設建設が望まれるところです。
【上水道施設】
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【下水道施設】
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ユジノサハリンスクの問屋市場街

ユジノサハリンスクの北、郊外にある市場を兼ねた問屋倉庫群。
食品、日用雑貨等、日々生活で消費する物資を取り扱う。
価格は、街中のマガジン(店)、スーパーマーケットの3割安程。
観光客が良く訪れる駅横の自由市場とは一風変わった趣。
それもその筈、平日に訪れる客の多くが、マガジンの経営者など業界人の方との事。一般の買物客は土曜日(日曜日は休み)に集中するとの事です。
日本では、問屋が個人に商品販売することは先ずありえませんが、ここサハリンでは上手く棲み分けが出来ているようです。

味気ない色をした倉庫が立ち並ぶ。
煙草も市内のマガジンに比べ、格安で販売されている。
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酒、果物、菓子類、布団、その他数々の日用雑貨も販売されている。
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サハリンの地産地消。温室栽培野菜の『チプリチニィ』

ユジノサハリンスクの北、郊外にある大農場『チプリチニィ』(温室の意)。
ソ連時代のソホーズ(国営農場)から、今では一年中、温室栽培で野菜や生花を生産する地元有数の優良企業。
サハリンで流通している野菜の多くは、中国産若しくは中国人がサハリンで農地を借用し生産しているもので、大量の農薬が使用されているとの事。
そのため、価格は割高ですが、ダーチャと呼ばれる家庭菜園(露店などで個人販売されている)や『チプリチニィ』の野菜に人気が集まっています。
どうやら、サハリンでも日本同様、安心安全な野菜を求める気持ちは一緒のようです。

チプリチニィの大温室群と農場内の直売店。販売方法はソ連時代から続く対面式。
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市内に数件ある直売店。野菜は直売店の他、市内のスーパーマーケット等でも購入できる。
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ユジノサハリンスクの新たなランドマーク『アリーナ シティ』

先日、オープンしたばかりのアイスアリーナを視察する機会がありましたので、ご紹介します。
場所は、空港に程近く、ユジノサハリンスク最大のショッピングセンター『シティモール』に隣接してあります。
規模的には、1,800㎡のアイスフィールドと850の観客席を有し、フィットネスセンター、サウナ等を付属する総合スポーツ施設。
9月28日のオープンセレモニーには、札幌、インスブルック、レークプラシッドのオリンピック3大会で金メダル(フィギアペア)を獲得した現国会議員イリーナ・ロドニナさんも出席し、盛大に取り行われました。
サハリンプロジェクト1・2が一段落し、ここ数年来、不況下にあると云われるサハリンですが、毎年、大型施設が次々に建設される様子に、「決して不況ではない」と感じてしまうのは、デフレ日本と比べてしまうからなのでしょうか。

黄色と赤を基調とした派手な外観。遠目からでもハッキリと識別できる。
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アイスホッケー、フィギアスケートのトレーニングのほか、一般にも開放されている。
平日(45分間):350ルーブル(スケート持参150ルーブル)。休日(同):450ルーブル(同250ルーブル)。
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コンピューター管理された最新のトレーニング設備。ボクシングジムも併設されている。
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サハリンの昆布工場

7月上旬、漁期前(準備中)のネベリスクとホルムスクの昆布生産工場へ視察に行ってきました。
毎年7月、稚内、利尻・礼文では、昆布の最高級品である利尻昆布漁の最盛期(9月末頃まで)を迎えます。
一方、サハリンでの昆布漁は、春先の海水温が日本に比べ低く昆布の生育が遅いことから、稚内より半月ほど遅い7月下旬から始まるとのことです。
また、日本では、採取、乾燥、裁断、選葉(選別)までの一連の作業を家内工業的に家族単位で行い出荷するのが一般的な生産工程ですが、ここサハリンでは一つの産業として工場での大量生産が行われています。
【ネベリスク】
工場は海岸から1、2キロ内陸にあり、採取した昆布はトラックで工場へ運ばれる。
写真左上から野外干場設備、屋内干場設備、左下から、大型ラジエターを用いた乾燥機、屋内干場設備。
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写真左上から、屋内干場設備、裁断機、左下から保管倉庫、かつては樺太昆布と呼ばれたであろうサハリン昆布。品質は利尻昆布に匹敵するという。
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【ホルムスク】
工場はホルムスク市街から数キロほど北へ行った海岸線に隣接してあり、ネベリスクの工場とは異なり、採取した昆布は岸辺から直接、工場内に運ばれる。
写真左上から、採取には日本と同型船舶を使用。採取された昆布は洗濯バサミに留められ、滑車付き大型乾燥棚と共に干場(天蓋付き)に吊るされる。
乾燥後は、乾燥棚に取り付けられたまま工場内に運ばれ、一連の作業が行われる。
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ロシアの幼稚園

先月、公務でネベリスク市を訪問しましたが、その際、幼稚園を訪問する機会がありましたのでご紹介します。
2007年8月、ネベリスク市で直下型地震があり、数多くの施設が壊滅的被害を受けたそうです。
今回、大統領に返り咲いたプーチン氏、当時首相の直々の指示によってネベリスク地震復興対策事業がスタート。
そして、古い公共施設は一気に建て替えられました。
今回紹介する幼稚園も、その一つです。

左上から、赤と黄色を用いた色鮮やかな外観。広い敷地に充実した野外遊具。
絨毯を敷いた広い廊下。園児一人一人に割り当てられたカラフルなロッカー。
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左上から、体育室?。教室。
個々にベッドを割り当てた仮眠室。音楽遊戯室。
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左上から、看護師が常駐する保健室と静養室。
ちょっと怪しさが漂う園児対象のセラピールームと近代的設備の厨房。
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潜入! サハリン・パン工場

3月5日深夜、ユジノサハリンスク市の北、約40Km 先の街ドリンスクにあるパン工場〝ドリンスキー・フレブ″へ行ってきました。
旧ソ連時代の1970年の操業開始から、今なお現役で活躍するレトロな設備の様は、40年前にタイムスリップした感さえあります。
操業時間は午後3時頃から朝の5時頃まで。2日働いて2日休暇の2交代制。従業員は30数名。
日に、約8,000個のパンの外、200Kg程のスイーツを製造しているとのこと。
今回の工場訪問は、自社製品の日本への販路拡大について相談を受けたことから、オーナーに頼み込んで実現したものですが、工場を見学した限りでは、その道程は遠く険しいものが・・・・・。
まずは、6月5日から再開する稚内・コルサコフ国際定期フェリーの運航期間中(本年は、6月5日~9月28日)、コルサコフのフェリーターミナルでのお土産販売を提案したとことです。

原料(小麦・ライ麦)をこねる工程。
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一次発酵後、パン生地を機械で切り分け、ベルトコンベアで二次発酵の工程へ。
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パン焼きの工程と焼き上がり。
窯は操業開始時の代物。40年以上経過して老朽化が著しい。
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スイーツの作業工程と、2年ほど前に更新したPC制御の最新の窯。
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必見!ロシアの消防署

3月2日、公務のため、ユジノサハリンスク市郊外にある消防署を訪問しました。
建築されてから、まだ1年程しか経っていない新しい施設とのことで、設備も日本のそれに劣らないものが備わっていました。
日本と大きく異なるのは、救急搬送業務を担っておらず、救急車が配備されていないことです。

日本の消防車に比べ、明らかにビッグサイズ。
ホースの先に繋ぐ筒先車両? 100m先まで放水可能とのこと。
バイクは道が狭く車が通れない場合等、ドクターを乗せ火災現場へ向かうそうです。
因みに、メーカーはロシア製のウラル。1940年からエンジン・車体とも何も変わっていないとのこと。
〝シーラカンス的バイク″と云うべきか。
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左上から、オペレーター室、仮眠室、研修室、調理室兼食堂。
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左上から、訓練塔。ロープを用いて壁を登ったり、降りたりするそうです。
コンテナの様な訓練施設、中は煙の発生装置などが備わっており、全てコンピューター管理されている。
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ユジノサハリンスク市の新たなショッピングセンター

12月9日(金)、ユジノサハリンスク市内に、新たなショッピングセンター〝ストリッツァ(首都の意)″がオープンしました。
売り場面積は、一昨年、郊外にオープンした大型ショッピングセンター〝シティ・モール″の数分の一程度の規模でしょうか。
正午のオープン予定でしたが、結局オープンしたのは午後1時過ぎで、マイナス15度の冷え込みの中、1時間以上も外で待たされることになりました。
寒さに慣れているユジノ市民にとっても、流石にこの寒さは身体に堪えたようです。
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その他、驚かされることがいくつかありましたが、中でも驚かされたのが地下1階地上3階の建物のうち、2階フロアの全店舗がオープン前だったことでしょうか。
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店内の様子です。
3階フロアにあるファーストフード店前では、オープン後も記念式典が続いています。
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地下1階、全フロアを使った食品売り場。日本の食材も数多く並ぶ充実した品揃え。
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